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日ごろからなんとなく考えていたこと①

助産師の仕事、どれくらい知られている?

こんにちは。助産師の小柴です。

今日は、日ごろからなんとなく考えていたことを、少し書いてみようと思います。

いつもの母乳育児や産後ケアのお話とは、ちょっと違うお話です。そして、少し長文です。

最近、ChatGPT、愛称はチャッピー❣️ に、あれこれ相談しています。

自分でも何が言いたいのか、うまくまとまらないまま、思いつくことを次々と話してみました。

そうしたら、私の頭の中で長いことモヤモヤしていたものが、少しずつ言葉になってきました。

そーかぁ、私ってこんなことを考えていたんだなぁ、と。

今日はそのお話を、皆さんにも聞いていただけたらと思います。

 

そもそも、助産師って知られている?

お産のときに助産師と深く関わったお母さんたちは、助産師の仕事をよく知ってくださっています。

陣痛の間、腰をさすってもらったこと。

不安なときに、そばにいてもらったこと。

赤ちゃんが生まれたとき、一緒に喜んだこと。

そんな経験をした方にとって、助産師は身近な存在なのだと思います。

でも、そうでない方にとってはどうでしょう。

病院で出産していても、助産師がどんな役割をしていたのか、よくわからないまま退院される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「お産のときに初めて助産師という存在を知った」「病院の中では、看護師さんとの違いがよくわからなかった」

そんなお話を聞いたこともあります。

まして、妊娠も出産も経験したことのない男性にとっては、助産師はずいぶん遠い存在なのかもしれません。

考えてみれば、社会の仕組みを決めたり、お金の使い道を決めたりする立場の方が、必ずしも妊娠や出産、子育てを経験しているわけではありません。

もちろん、経験がなくても理解してくださる方はたくさんいらっしゃいます。

でも、知らないものの価値を理解するって、なかなか難しいこと。

助産師自身も、もっと伝える努力をしてこなければいけなかったのかもしれません。

そんなことを最近よく考えます。

 

お母さんたちを見ていて思うこと

長年、妊婦さんや産後のお母さんたちと関わってきました。

そして最近、今のお母さんたちは、昔に比べて心も体も、いろいろなものを背負っているように感じることがあります。

いつの時代も、子どもを産み育てることは大変です。

私自身、3人の子どもを育ててきました。

ワンオペのような子育ても経験しました。でも、ラッキーなことに、あらゆる人の手を借り、たくさんの方に助けてもらいながら育ててきました。

それでも、毎日の暮らしを回していくことがどれほど大変か、それなりにわかっているつもりです。

今、子育て真っ最中のお母さんたちより、ちょっぴり先輩の母親としての経験があるからこそ、皆さんの姿を見ていて思うこともあります。^_^

誰かに話を聞いてほしい。

あったかいご飯が食べたい。

ほんの少し、一人になりたい。

自分のことも大切にしてほしい。

ニッコリ笑って、「はい、ここよ❣️」と言ってほしい。

時には、助産師に自分の母親のような役割を求めているのかな、と感じることもあります。

そして、そのお母さん自身と、そのまたお母さん、さらにその上の世代との関係が、今の子育てにもつながっているように思えることがあります。

これは、長く母子に関わってきた中で、私が感じていることの一つです。

 

産後になってからでは、遅すぎる。

私は以前、お産を取り扱っていました。

その頃から、妊娠中にどれだけ丁寧に関わるかが、お産や産後の生活にとって大切だと感じてきました。

お母さんが安心して自分の体と向き合えること。

赤ちゃんを迎える準備ができること。

何か困ったときに相談できる人がいること。

そして、お産のときに、できるだけお母さんと赤ちゃんが離れずに過ごせること。

もちろん、医療的に必要な処置や母子の分離はあります。安全が第一です。

でも、必要のない分離はできるだけ避けたい。

赤ちゃんが生まれて、お母さんと一緒に過ごしながら、お互いを知っていく時間を大切にしたいと思っています。

今、産後ケアはかなり助成がつくようになりました。地域差もありますが、ありがたいことです。

でも、産後になって初めてお母さんに出会うのではなく、もっと前から準備できたことがあったのではないかなぁ、と思うことがよくあるのです。

受験にはあんなにもお金も時間もかけるのに、命がかかったお産に対しては、ちょっと足りないのではないでしょうか。

妊娠中から、その人を知っている助産師がいる。

お産の前も、お産のときも、産後も、必要なときにつながれる。

そんな関わりが、もっと当たり前になったらいいのにと思います。

ただ、それを丁寧にやろうとすると、本当に時間がかかるんです。

そして、助産師のエネルギーも必要です。

 

それで、助産師は食べていけるのか?

ここから、ちょっとお金の話になります。

私は、開業助産師が自分の仕事で、ちゃんと家族を養えるようになってほしいと思っています。

例えば、夫に先立たれたり、離婚したりしても、助産師として働いて、子ども2人、3人を育てていける。

それくらいの経済力が欲しい。

助産師は国家資格を持った専門職です。

人の命に関わる仕事をしています。

それなのに、開業して一生懸命働いても、十分な収入にならないとしたら。

なんだか、おかしな話だと思うのです。

私たち開業助産師は、助産の仕事だけというわけにはいきません。

経営も、集客も、会計も、他職種とのやり取りもあります。

研修にも行きますし、助産師会の仕事もあります。

もう、マネージャーが欲しいと何度思ったかわかりません(笑)。

助産師としてよいケアをしたい。

時間をかけて丁寧に関わりたい。

でも、時間をかければかけるほど、収入につながりにくくなることもあります。

これって、どうなんでしょう。

助産師の仕事には、時間をかけることそのものに意味がある部分があります。

お母さんの話を聞いて、その人の表情や体の変化を見て、時には何もせず、ただ待つこともあります。

それは、何もしていない時間ではありません。

長年の経験や知識を使って、見守っている時間でもあるのです。

相手の思考を邪魔せず、まとまるまでの時間を待つ。

お産を待つように。

その価値を、どうやったら社会にわかってもらえるのでしょう。

 

あるご夫婦との出会い

そんなことを考えていたら、以前、助産院に通ってくださっていた、あるご夫婦のことを思い出しました。

そのお母さんとの最初の出会いは、一人目のお子さんの卒乳・断乳に関わる相談でした。

混合栄養で育ててこられた方でした。

卒乳・断乳の相談を通じて関わるようになり、その後、すぐに二人目を妊娠されました。

そして、妊娠初期、つわりの頃から助産院に通ってくださるようになったのです。

 

妊娠中から、月に一度のメンテナンス

お産は病院と決めておられました。

病院での妊婦健診も受けながら、妊娠中から月に一度くらい、助産院で個別のケアを受けてくださいました。

もちろん、自費です。

当時、1回7,000〜8,000円くらいだったでしょうか。

毎回、決して安い金額ではなかったと思います。

私が助産院で出産予定の方に行っているケアやクラスを、同じように受けられていました。

例えば、さらしを使った骨盤まわりの支え方。

夫婦で行うケアの方法。

ちゃんと寝るということ。

体を冷やさないようにすること。

彼女に合った、実行しやすそうな食事の取り方を提案したりもしました。

料理教室にも参加されました。

私はよく「食う・寝る・出す」が大事だと言っています。

特別なことばかりではありません。

でも、毎日の暮らしの中で、その人の体や生活に合わせて整えていくこと。

そのときどきのお悩みを聞きながら、一緒に考え、必要なことをお伝えしてきました。

助産師の仕事って、こういう小さな積み重ねが大切なんじゃないかなぁと思っています。

 

夜勤の合間を縫って参加した出産準備クラス

印象的だったのは、夫もとても熱心だったことです。

夜勤のあるお仕事をされていて、生活時間も不規則だったと思います。

それでも、ご夫婦で参加する出産準備クラスに、何度も足を運んでくださいました。

時間を合わせるのも、なかなか大変だったと思います。

出産準備は、お母さんだけがするものではありません。

一緒に赤ちゃんを迎える夫も、妊娠中から知っておいてほしいことがあります。

お産のとき、何が起こるのか。

妻の体に、どんな変化が起こるのか。

夫には、どんなことができるのか。

妊娠中に夫婦で準備できることは何か。

私は、ご夫婦で学ぶことには大きな価値があると思っています。

妊娠中から一緒に考え、準備することで、子どもをどう育てたいのか、そのためにどこで、どのように産むのかを、二人で話し合って選ぶことができます。

話し合う中から、新しいアイデア💡が生まれることもあります。

そして、そのお母さんには、何度もお伝えしていたことがありました。

「あなたはきっと、お産が早いと思うから、自分が思っているより早めに連絡するのよ」

もう、口を酸っぱくして言っていました(笑)。

そうしたら、本当に思っていた以上に速くお産が進んだそうです。

夫の立ち会いも、ほんの少しになってしまったとか。

あんなに出産準備クラスに通ってくださったのに(笑)。

でも、妊娠中から夫婦で一緒に考え、準備してきた時間そのものにも、大切な意味があったのだと思います。

そして、産後。

このご夫婦との関わりを通して、私はあることに気づかされました。

助産師のケアの価値を感じているのは、ケアを受けたお母さんだけではないのかもしれない。

そのことが、私の中で新しい考えにつながっていったのです。

続きは後編「ボウリングの1番ピンは、男性なのかもしれない」でお話ししたいと思います。

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